美容効果抜群のローズヒップティーは便秘にも効果アリ?
美容に良いとされるローズヒップティーは、手軽に手に入るハーブティーとして日本でも大変親しまれている飲み物です。
近年の健康食品ブームでそのデトックス効果に注目が集まったこともあるローズヒップティーですが、はたして便秘にも効果はあるのでしょうか?
また、せっかくなので効果的な飲み方も知りたいですよね。
そこで、ローズヒップティーの健康効果について、薬剤師の斉藤が調べてみました。
目次:
話題の便秘茶、即効性と安全性は?薬剤師が解説!
ローズヒップとは
ローズヒップ(Rose hip)はバラの果実です。
hipは野バラの実の意味で、お尻とつづりが同じですが『バラのお尻』という意味ではないそうです。
ローズヒップティーにはイヌバラという種類の果実が多く使われています。
ローズヒップには、ビタミンC、カロチノイド、フラボノイド、ペクチン、クエン酸、マレイン酸などが含まれています。
特にビタミンCが豊富です。
カフェインは入っていません。
ローズヒップティーの美容効果は?便秘やダイエット効果は?
ローズヒップティーの健康効果について詳しく調べてみました。
鍵は豊富に含まれるビタミンCです。
豊富なビタミンC
熱に弱いとされるビタミンCですが、ローズヒップのビタミンCはお湯で入れても壊れにくいのが特徴です。
ローズヒップのフラボノイドの一種が加熱に弱いビタミンCを保護しているのです。
ビタミンCには抗酸化作用があります。
紫外線やストレスで体内に発生する活性酸素をつかまえてお肌や体を酸化から守ります。
お肌に大切なコラーゲンの合成にもビタミンCはかかせません。
ビタミンCが美白に良いと言われるのは、メラニンを作るチロシナーゼという酵素の働きを抑えるからです。
また、ビタミンCはメラニンに働きかけ淡い色に変える作用もあり、今あるシミを薄くする効果もあります。
もっとも、美容、美白効果はビタミンCの働きであくまで「期待できる」という程度で、有効性があるのかはまだ解明されていません。
即効性もないので気長に取り組むのが良いかもしれません。
妊娠中、授乳中の方はビタミンCが特に必要です。
ビタミンCの成人の摂取基準は100mg前後ですが、妊娠中の方は110mg、授乳中の方で145mg必要です。
特に妊娠中や授乳中の方は意識して摂りたいビタミンです。
便秘にも効果アリ?
ローズヒップにはペクチンという水溶性食物繊維が含まれています。
ペクチンには、大腸までとどき善玉菌のエサとなって腸内環境を整える働きがあります。
また、ペクチンは便のかさをふやします。
かさがふえると便の重さで腸を刺激され、腸の運動と便意が促されててより出しやすくなります。
ただし、ローズヒップティーで摂れるペクチンの量は決して多くはないので、あまり期待しすぎない方がいいかもしれません。
数ある便秘対策のうちの一つ、くらいの意識で取り入れると良いでしょう。
ダイエット効果は?
ローズヒップティーを飲むだけでは、残念ながらダイエット効果はあまり期待できません。
しかし、間食しそうになったり、イライラして甘いものが欲しくなったりしたら、ローズヒップティーでリフレッシュ・・・というように、ダイエットにうまく取り入れると良いかもしれません。
ローズヒップのカロリーは162kcal(生100gあたり)です。
生のローズヒップは5〜6割が水分なので、お茶に使う乾燥したものは100gあたりのカロリーがもう少し高くなります。
とはいえ、1回の量はスプーン1杯5gぐらいなので、お茶の後の実まで食べたとしてもカロリーはそんなに高くありません。
ただし、味の調整でお砂糖やはちみつの入れすぎには気を付けてくださいね。
ローズヒップの中のポリフェノールの一種でティリロサイドには脂肪の燃焼を促す働きがあることが分かりました。
しかし、これはまだまだ研究段階です。
また、どれだけ摂取すれば効果があるのかなど未知数な部分が多く、効果を期待して飲むというのは少し酷でしょう。
調べたけれど真偽不明なもの
「ビタミンC豊富でかぜ予防に良い」という声のあるローズヒップティーですが、実はビタミンCの風邪の予防効果は確認されていません。
風邪など感染症にかかると体に大きなストレスがかかるので、活性酸素をすこしでもおさえたいためにビタミンCの薬が処方されることはあります。
しかし、それはかぜ予防のために出されているわけではありません。
また、『痛みや生理痛が軽くなる』という記事を見かけましたが、どの成分が作用しているのかは分かりませんでした。
熱いお茶で体を温めることで痛みが軽くなる、ということは考えられます。
ローズヒップティーの効果的な飲み方
ビタミンCは体に貯めておけず、数時間しか体にとどまりません。
ローズヒップティーの豊富なビタミンCを効率的に摂りたいのであれば、朝昼夜と何回かに分けて飲むのがおすすめです。
また、ローズヒップティーはノンカフェインなので、夜でも安心して飲めます。
ローズヒップティーは普通、お湯で煎じて飲みますが、麦茶のように水出しして飲むこともできます。
お湯で飲むより少し多めのローズヒップを水に入れ、お好みで数時間から一晩冷蔵庫に入れます。
ローズヒップのビタミンCは熱に強いといわれていますが、熱を加えない水出しでさらに効率的に摂ることができます。
ただ、ブレンドしたローズヒップティー製品の中にはホット専用のものがあるので、よく確認してから試してください。
栄養を丸ごととるなら実も食べた方が良い
実は、ローズヒップの栄養素はあまりお湯に溶けだしません。
ビタミンCは半分近く溶け出しますが、その他の栄養素は実に残ったままなのです。
ローズヒップの栄養を丸ごと摂り入れるためには、実を食べるのが良いでしょう。
しかし、そのままでは乾燥していて固くて食べられないので、お茶の後のふやけた実がおすすめです。
砂糖やはちみつで味を調節しても、ジャムに加工しても食べやくなります。
ただし、食べるのはローズヒップ100%のものだけにしてください。
その他の茶葉が入っているものだとお腹を壊すかもしれません。
また、ふやけた実は悪くなりやすいので、まとめて後で加工して食べる場合でも早めに消費するのがおすすめです。
飲むたびに残った実を冷凍庫に保管してたくさんたまったらジャムに加工する方法も見かけましたが、こちらは自己責任でお願いします。
ローズヒップティーは酸っぱい?酸味を抑えて美味しく飲むには
ローズヒップティーは赤色で酸っぱい・・・というイメージですが、これは実は販品にブレンドされているハイビスカスの影響が大きいそうです。
ローズヒップ100%のお茶は薄い赤茶色で酸味は強くなく、トマトや梅を薄めたような風味です。
独特の酸味が苦手な方は、はちみつや砂糖をいれると飲みやすくなります。
また、紅茶とブレンドしても合うとされ、多くの人に好まれています。
ローズヒップティーの選び方
ローズヒップティーは様々なタイプが販売されています。
それぞれの特長やメリット・デメリットを挙げてご紹介していきますので、目的に合ったタイプの商品を選ぶ際の参考にしてみてください。
カット製品やパウダー製品は、Amazonや楽天等のネット通販か、ハーブティー専門店でないと入手しづらいようです。
ペットボトル
スーパーやコンビニで見かけるペットボトル製品は、手軽に飲めるのが嬉しい商品です。
こちらはローズヒップ単独の製品はなくブレンド茶です。
ローズヒップの配合量はあまり多くないので、本格的に取り組みたい方には物足りないかもしれません。
ティーバッグ
ティーバッグタイプは手軽に扱えますが、ハイビスカス、ルイボス、など他の茶葉が入っている製品が多いので少し注意が必要です。
他にも試してみたいお茶を一緒に摂れるという点では嬉しいですね。
スーパーやドラッグストアで販売されているのはほとんどがブレンド品です。
パウダータイプ
パウダータイプは実を細かいパウダーにしたものです。
砂糖や他の成分が入っている製品もあるので原材料は要チェックです。
お湯に溶かせば待たずにすぐに飲めるのが特長です。
ダマになりやすいのでよく混ぜる必要がありますが、実の味や食感が苦手という方でもローズヒップを丸ごととれます。
ジュースやスムージーに手軽に足すこともできます。
ファインカット
ファインカットという表記のある製品は、乾燥させたローズヒップを細かく刻んであります。
お湯を入れて3〜5分で飲めますが、お好みで長めにひたしてもOKです。
カップの底に沈んでいる実はやわらかくなっているので、スプーンですくって食べられます。
お菓子やパンに混ぜることもできます。
シェルカット
シェルカットと呼ばれる製品では、実は丸ごとか、軽く割ってあるぐらいの大きさのものが入っています。
お湯を入れてから10分くらい時間がかかります。
カップの底には実がしっかりと残ります。
残った実は、そのまま食べづらかったら砂糖を入れて煮るとジャムになります。
また、実はそのままお酒やお酢に漬け込むといった利用法もあります。
注意点
ローズヒップティーは、大量に飲みすぎるとビタミンCを過剰摂取した時の吐き気、胸やけ、下痢などの症状が出ることがあります。
また、アレルギー症状が起こる可能性はあります。
アレルギー体質の方は注意して試してみてください。
妊婦中・授乳中の方でも飲むことができますが、安全性が確立しているわけではないので過剰に飲むのは避けてください。
また、他の茶葉がブレンドされているものについては、医師・薬剤師と相談してください。
健康診断の前の摂取もNGです。
というのも、ビタミンCが尿糖の検出を邪魔してしまい、正確な判定ができなくなる恐れがあるためです。
毎日飲んでも大丈夫?
連用についてですが、通常の食品に含まれる量を適切に摂取する分にはおそらく問題ありません。
もし、お腹が下りすぎるなど「おかしいな」と思ったときは飲むのをいったん中止してください。
まとめ
肌に良い、便秘に良いと言われているローズヒップティーですが、その効果と安全性については十分に研究されていません。
ハーブティーのリラックス効果と美容効果を同時に得たい方は取り入れても良いと思います。
ハーブティーだから安心安全とたくさん飲みすぎてしまわないよう、適度に試してみてくださいね。
参考
- 健康食品の素材情報データベース
http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail742.html
【専門家が教える】便秘解消3つのコツ
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